バンドワゴン効果というのは、行動心理学の用語です。
大勢の人がそれを支持している場合、その製品や事柄への支持がより一層高くなる現象のことをいいます。
「バンドワゴン」とは、パレードなどの行列の先頭にいる楽隊が乗車した馬車です。
ラッパを鳴らして楽しそうに進む楽隊車に引かれて、大衆がゾロゾロついて歩く様子から命名されました。
「バンドワゴンに乗る」ということは、「時流に乗る」とか、「勝ち馬に乗る」という意味で使われます。
主に経済学や政治学、社会学などで使われています。
■バンドワゴン効果
バンドワゴン効果という用語が登場したのは、1950年のことです。
アメリカの経済学者、ハーヴェイ・ライベンシュタインが発表した論文で提唱しました。
たとえばマスコミの選挙予測報道で優勢とされた候補者に有権者が投票しがちになる現象です。
元々人間は、集団で生活を営む習性がありました。
大型の動物を狩るために他人の力を必要としていました。
帰属意識(集団に属していたい気持ち)が根源的欲求として体に刻み込まれています。
とくに日本人は、みんなと同じ行動をとりたがる人種です。
それに流行り物が好き。
みんながやっているから安心。
みんな買っているから買わなきゃ。
こんな風に多数派に属することで、安心感を覚えたり購買欲求が掻き立てられます。
学校や職場内でのトレンドもそうです。
あるドラマが話題になると、面白そうだから見てみよう。
見ておかないと話題についていけない。
そんな理由からドラマを見るようになります。
逆に多数派に属していないと不安になります。
たとえば自分だけ傘を忘れた場合、強烈な不安や孤独感が襲ってきますよね。
自分だけ違う意見を言うと、白い目で見られて除け者にされる危険性もあります。
■マーケティングにおける具体例
このバンドワゴン効果は、マーケティングでも活用することができます。
たとえば行列のできるお店っていうのは、人気のお店っていうイメージがありますよね。
飲食店で行列が出来ていたら、間違いなく流行っていて美味しいという感覚。
それに人は行列を見ると、そこに並びたくなるという習性があります。
これを利用して、わざと行列の出来るようなお店にするんです。
店内の敷地面積を狭くしておくなどして、行列が出来る仕組みを作っておくんですね。
また、商品やサービスを販売する場合。
バナー広告やキャッチコピーで人気度をアピールしておくことも大事です。
- ランキング第1位を獲得
- 全米が泣いた
- あの○○さんも愛用!
- すでに10万台突破!
- SNSで人気急上昇中!
こんな感じのキャッチフレーズを目立出せるようにしておきます。
特定の売りたい商品がある場合は、「当店人気No.1商品」と書いて目立たせます。
それから、商品やサービスのセールスページに利用者の声を載せるのも大事です。
会社のホームページに実績や導入事例を載せるのもそうです。
バンドワゴン効果を応用することで、売上を倍増させることが可能になります。
ぜひマーケティングで取り入れてみてください。